ニキビとは
ニキビは、皮脂(皮膚のあぶら)の分泌が増えることと毛穴が詰まることで、毛穴の中に皮脂がたまることで始まります。この状態が面皰(めんぽう)です。面皰の中は、皮脂が豊富で酸素が少なくアクネ菌(Cutibacterium acnes)が増えやすい環境にあります。アクネ菌はどんな毛穴にもいる常在菌ですが、数が増えると炎症を起こして赤いぶつぶつしたにきびや膿がたまったにきびを引き起こします。強い炎症を生じて、毛穴の周りの皮膚に障害を与えると、ケロイド状に盛り上がったり凹んだりして瘢痕(はんこん)を残します。

ニキビ治療の基本は面皰をなくし繰り返さないようにすることが大事です。
そのためアダパレンや過酸化ベンゾイルなどの面皰をターゲットにした治療が最も推奨されます。
ニキビ保険治療
詳しくは「一般皮膚科 ニキビ」
ニキビ自費治療
- アゼライン酸(AZAクリア)
- 刺激が少なくニキビの米国皮膚科学会のガイドラインにも軽症の第2選択薬に記載があります。アトピー性皮膚炎の方や肌が弱く過酸化ベンゾイル、アダパレンの使用がどうしても難しい方におすすめしています。

- ケミカルピーリング
- 当院ではサリチル酸マクロゴールを使用しています。角質除去と皮脂分泌のコントロール力に優れており面皰治療に有効です。アゼライン酸同様、肌への刺激が少ないので、肌が弱い方でもお受けいただけます。
- サリチル酸マクロゴールは確実に角質層でのみ浸透が留まる為、血液に吸収されることがなく副作用も少なく安全だと言われています。
- ニキビの細菌や皮脂、角栓を溶かすのでニキビ治療に効果的で、今あるニキビを治すだけでなく、再発しにくい状態をつくり出します。また、コラーゲンを増加される効果があるため、キメや弾力を実感させると共にニキビ痕や毛穴の改善にも効果があります。ピーリング剤が毛穴の中に入り込み皮脂のつまりを取り除きますが、その際ピーリングの刺激は真皮層にまで伝わりそれによってコラーゲンやエラスチンの産生を促進します。そのため肌の内部からハリ、弾力がよみがえり、毛穴の開きを改善するほか小じわやたるみの予防にも繋がります。大きな効果がありながらも肌への刺激は少なく痛みや赤みが出ないこと、回復が早いことが特徴ではありますが、角質層をすっかり溶かしてしまうのでバリア機能が失われます。肌の再生機能も高まるので数日後には新しくキメの整った角質層が厚さを増していきますが、その間は十分な保湿と紫外線予防が必須となります。
対象となる疾患orお悩み
- ニキビ
- ニキビ痕
- 毛穴の開き
- くすみ
- 小じわ
- 薄いしみ
治療の流れ
- 洗顔する
- 肌を整えた後(脱脂)ピーリング剤を塗布する
- ピーリング剤が浸透するまで待つ(約5分)
- ピーリング剤を丁寧に拭き取る
- 洗顔する
- イオン導入(サービス)
- 合併症、副作用
- 乾燥・赤み・痒み・ヒリヒリとした痛み・かさぶた・薄い皮めくれ
- ピーリング後の肌は一時的に赤みや、シミが濃くなったように見えることがありますが心配ありません。通常3~4日で治まります。
- ピーリング後の肌は紫外線に敏感になっています。
- 当日よりお化粧を出来ますが使い慣れた日焼け止め、ファンデーションなどで肌を外的刺激から守って下さい。
- しばらくの間は薄皮が剥けるような感じになることがあります。
- 肌の乾燥を防ぐため保湿をして下さい。
- 無理に擦ったり、剥ぎ取ったりしないようにして下さい。
- 妊娠中、授乳中の方はお控え下さい。
ニキビの内服治療 (自責)
ニキビの米国皮膚科学会のガイドライン
さらに治りにくいニキビに対する治療選択肢としてイソトレチノインやホルモン治療が推奨されています。

イソトレチノイン
ビタミンA誘導体を含む内服薬で皮脂を作る皮脂腺を縮小させ、また角化を抑制することによりにきびを劇的に改善します。通常の外用治療をしっかり行っても改善しない重症のにきびの治療に使用します。日本では認可されておらず、また、個人輸入も禁止されております。しかし、医師が輸入し個人に処方することは認められています。1クール6~12ヶ月となります。内服中の効果は非常に高い薬剤ですが25~50%で再発するといわれています。もし再発した場合もう1クール追加する場合もあります。催奇形性があるため、妊娠されている方、近いうちの妊娠を望んでいる方、授乳中の方は内服できません。内服終了後も半年間は避妊が必要です。内服中および内服終了後半年間は献血ができません。男性も内服中はパートナーを妊娠させないでください。そのため女性の大人ニキビにはまずはホルモン治療をお勧めします。
ニキビのホルモン治療
低用量ピル
生理前に悪化しやすい、生理不順があるなど性ホルモンの影響が強く従来の治療で改善しない女性のニキビに対し、低用量ピルを飲むことにより黄体ホルモンの働きを抑制することによりニキビの改善を目指す治療です。当院ではマーベロンという薬を採用しています。他の低用量ピルに比べ、ニキビの一時的な悪化が少ないためです。
またさらにスピロノラクトン内服を併用するとより効果が出やすいですのでお勧めです。

スピロノラクトン
スピロノラクトンは本来高血圧の治療に用いられる利尿効果のある薬です。別の働きとして、男性ホルモン作用をブロックする作用があり、ニキビの原因となる男性ホルモンの働きを抑え、大人ニキビを改善します。保険治療は認められておりませんがその効果は非常に高く、中止後もリバウンドが起きにくいのも特徴です。月経不順がおこることがあるため低用量ピルを併用します。
機器によるニキビ治療
- アグネス
- 特殊な電気針を使って「皮脂腺」を凝固させることで、大人ニキビの原因である皮脂の過剰分泌を大幅に減少させる皮脂腺電気凝固治療(小林法)に特化した機器です。
- ただし処置した部分は再発しませんが微小面皰はその対象でないためその適応は限られています。
- 診察により保険診療やホルモン治療をお薦めすることもありますのでご注意ください。
- プラズマ
- プラズマとは固体・液体・気体のいずれとも異なる特有の性質を持つ、物質第4の状態です。
このプラズマの力を応用したものがプラズマシャワーです。 プラズマシャワーは単体でも殺菌効果が高く、ニキビ治療にも大変有効です。
- アクアエラ
- ハイドラフェイシャルは水(ハイドラ)を使ったピーリングですが、アクアエラは水の代わりに美容液で毛穴を洗う新発想の美容施術です。
【毛穴クリーンピール】により、毛穴洗浄効果だけではなくソフトピーリングによる美肌効果も同時にかなえます。
ニキビの症例
症例1


(保険)外用・内服
(自費)ロアキュタン20日内服
症例2


(保険)外用・内服
(自費)ロアキュタン4ヶ月内服・Vフェイシャル5回照射
症例3


(保険)内服
(自費)アゼライン酸・ロアキュタン4ヶ月内服・Vフェイシャル2回照射
症例4


(保険)外用・内服
(自費)ロアキュタン4ヶ月内服
症例5


(保険)外用・内服
(自費)ロアキュタン2ヶ月内服・Vフェイシャル6回照射
症例6


(保険)外用・内服
(自費)ロアキュタン2ヶ月内服・Vフェイシャル6回照射
ニキビ治療の基本は新しくできるニキビをなくし繰り返さないようにすることが大切です。そのためアダパレンや過酸化ベンゾイルなどの面皰をターゲットにした治療が最も重要です。ただしこれらの治療で効果が出てくるのは最低でも6カ月の継続が必要です。また刺激感があり継続が難しい方もおられます。当院では保険のみでなく自費治療の選択肢を準備しており、さまざまなニーズに対応可能ですがまずはしっかりと基本の治療の理解が十分できているかどうかの確認をしてから、こちらがどうしてもこれらの治療では困難と判断した場合に提案していきます。ニキビ・ニキビ跡で悩まれている方、いつでも是非ご相談ください。
ニキビ跡とは
ニキビ跡には大きく3種類あります。
1.炎症後色素沈着:自然軽快することもありますが半年以上たっても改善しないようならレーザートーニングやハイドロキノン・トレチノイン療法をおすすめします。
2.赤色瘢痕:数年かけて落ち着くこともありますが改善に時間が長くかかることが多いためVビームを用いて治療を行います。
3.陥凹性瘢痕:炎症を長い時間放置すると凹んだクレーター跡になります。このニキビ跡は自然治癒することはなくフラクショナルレーザーをおすすめしています。
症例写真
症例1


- 参考費用
- Vフェイシャル28回照射 330,000円(自費)
- フラクショナル2回照射 33,000円(自費)
- イノジェクター1回照射 5,500円(自費)
- ロアキュタン4ヶ月内服 66,000円(自費)
- 内服 22,140円(3割負担)
- 外用 91,650円(3割負担)