酒さとは
中高年の顔面(鼻、頬、あご、額)が赤くなり、毛細血管がひろがる慢性炎症性疾患です。はっきりとした原因はわかっていません。遺伝的な要因や環境因子が複雑に関与していると推定されています。
症状の強さにより
第1度:赤みと毛細血管の拡張がみられる。
第2度:第1度の症状に加え毛穴が盛り上がりニキビ様に化膿して皮脂の分泌が強まる。
第3度:鼻先の皮膚がみかんの皮のようにデコボコと盛り上がってきてほてりやピリピリとした軽い痛みを感じることもある。
の3段階に分類されます。
病気の特徴
- 中高年の顔面に生じる原因不明の慢性炎症性疾患です。
- 生活様式により悪化することがあります。
- 症状の強さにより、3段階に分類されます。
- 皮脂の分泌が強まり、ニキビ様症状を伴うようになります。
- 赤みはなかなかなおりにくいです。
- 症状が1日の中でも変動することがあります。
生活上の注意
毛細血管が拡張しないように以下の点に気を付けましょう
- 辛いもの、アルコール、カフェインなどの刺激物の摂取を控えましょう。
- 寒暖差がある場所への出入りを控えましょう。
- 直射日光を長時間浴びないようにしましょう。
- 気持ちの高ぶる状況で症状が悪化しやすいため、できるだけストレスがたまらないように気を付けましょう。
- 過度の運動は控えましょう。
- 睡眠を十分にとりましょう。
- 禁煙しましょう。
- 熱いお風呂に長時間入るのは避けましょう。
治療方法
テトラサイクリン系の抗生剤(特にミノサイクリン)
ニキビ様のぶつぶつだけでなく、びまん性の赤ら顔にも効果的です。
色素レーザー(Vビーム)やロングパルスレーザー(ジェネシス)
保険適応外ですが毛細血管を減少させるために併用して行うこともあります。
メトロニダゾール(ロゼックス®軟膏)
ニキビダニ(demodex)による酒さ反応の悪化も多くみられその際は有効なことがあります。
症例1

Vビーム10回照射
88,100円(3割負担)

体質的な要因が強く、またさまざまな悪化要因があるため、短期間で症状をなくすことは難しいため、長期間の治療介入が必要となります。経過中によくなったり悪くなったりすることもありますが、根気よく治療を継続することが大切です。酒さでは、原因に挙げたような要因をもとにして症状が悪化することもあります。そのため、治療の一環としてこれらの要因を避けることも必要です